50代からのMBA in USA

50代になって急にMBA取ろうと思って動き出したオジサンのブログ。卒業まで続けます?(続けたいな〜)

ビザ問題

MBA開始まで1週間、ブログネタが尽きた....

 

そこで、ちょっと話題を変えてアメリカのビザ問題を考えてみたい。

というのも、非移民ビザに関する大統領令が発表され、2020/6/24から発効するからである。

トランプ大統領は、現地時間6月22日、非移民ビザのアメリカへの入国制限に関する大統領布告を発表した。6月24日午前0時1分に発効する。

特殊技能職に発給するH1-Bビザ、熟練・非熟練労働者に発給するH-2Bビザ、企業駐在員に発給するLビザ、交流訪問者に発給するJビザを取得して、アメリカに入国しようとする場合に対象となり、発効日時点で、(1)アメリカ国外に滞在し、(2)有効な非移民ビザを有しておらず、(3)発効日時点で有効もしくは発効日以降に発給され米国への渡航・入国申請を許可する、ビザ以外に有効な正式な渡航書類(トランスポーテーションレター、適切なボーディングフォイル、臨時入国許可書等)を有していない、3点全てに該当する人が対象となる。

合法的な永住権を有する人、アメリカ人の配偶者や子である人、アメリカの食品サプライチェーンに不可欠な一時的労働力もしくはサービスを提供するために入国しようとする人、国務長官や国土安全保障長官またはこれらの指名する者によって入国することが国益にかなうと判断された人は対象外となる。

期間は12月31日までで、延長される場合もある。

 

この措置で、COVID-19の流行で弱った日本企業を含むアメリカ外の企業にとって更なる打撃を受けることだろう。例えば中国やインドに大きく依存しているIT企業や製造業はどうなってしまうのか?仮にそれらの国が報復措置でアメリカ人へのビザ発行を停止したらどうなるんだろうか?考えただけで恐ろしい.....

ちなみに、この措置が大統領選に向け支持率低下の対策であるのは明確で、これによりアメリカ国内に52万人の雇用が確保される計算なんだそうだ。

 

トランプ大統領には熱烈な支持者と圧倒的なアンチがいる。彼の登場を機に、アメリカだけでなく世界的に世論が二分されることが増えたように感じる。

実は私自身はトランプ大統領が嫌いなわけではない。何も決めないどこかの総理大臣や政治家よりもよっぽどハッキリしていて、少なくとも「Decisionする」「Actionする」というリーダーシップに必要な資質は持っているように思えるからである。

ただ、今回の労働者ビザの発給停止にはいささかガッカリ感がある。グローバル化した世界の中で他国民を締め出す行為には全く合理性がない。他国にアメリカの論理を押し付けるだけで、他国から労働者を受け入れないのはあまりに一方的である。移民を受け入れる事で発展したこの国の根底を否定するのか??

 

たとえ今回の措置で50万人以上の国内雇用が確保されたとしても、それがそのままアメリカ経済の発展につながる事はないだろう。なぜなら、アメリカ人が他国の優秀なリソースのスキル、能力、生産性を上回る事はできないと思われるからである。自国民がやりたくないことを他国からの移民という労働力で補ってきたアメリカが、今更移民を締め出してそういう部分を自国民にやらせることなどできないだろう。ましてや白人至上主義が残るこの国が他人種の人間をそこに当てがうなどしたら、George Floyd事件に端を発した人種問題は「火に油を注ぐ」ような事態に陥るだろう。

 

アメリカは250年という短い歴史の中で大発展を遂げた偉大な国である事は間違いない。偉大だからこそ、他国や他人種・多人種に対して寛容な国であるべきだと信じたい。そそういう様々はバックグラウンドを持った人間たちの目や考え方が交わることが「自由の国アメリカ」を守っていってほしい。

そしてそういう国だからこそ、世界でも最高レベルの教育を提供してもらいたい。そこに触れるのがMBAに行く目的の一つなのだから。

 

 

ところで、昨今のCOVID-19問題で世界中の人々がある程度のことが「リモート」でできることがわかってしまったわけだが、実はこのビザ問題は「リモートワーク」することで解決できてしまうのだろうか?自分もOnline MBAという「リモート」技術を利用して学ぶわけだが、やはり人間と人間の接点が「リモート」だけになるのは寂しすぎる。

その辺だけはいつまでもオジさん発想のまま変われそうもない.....

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顔合わせ

あと1週間ちょっと...

 

ビデオや教材による予習は全て終了、思ったほどは難しくなかった。カバー範囲は広いものの丁寧な説明が用意されており、「そういえば昔そんなことも習ったな」とか「あー、確かにそう考えれば理解できるな」といった感じで、まずは順調。

 

と思っていたが、どうやら読まなければならない参考文献を見過ごしていた。確率統計に関する学術的な資料だ。

これはヤバい。急に難易度が上がった感じがする。やはりビデオで説明されるのと、文献を読んで理解するのは、特にEnglish Nativeではない自分にとってはなかなかのチャレンジ。今回は10ページくらいの文献ではあったが、何度か読み返さないと頭に入ってこない。授業前にどの程度理解しておかないとついていけなくなるのかわからないが、周りにナメられないためにももう一度読む。なかなか地道な作業。

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昨日、July 2020 Cohortの顔合わせZoomミーティングが開催された。

50名近くいたようで、最初の30分くらいは色々オリエンテーション的に説明を聞いているだけだったが、残りはいくつかのグループに分かれて自己紹介コーナー。自分含め6名のグループに強制合流されられ、大学のアドミッションオフィス勤務、Navyとして1年の半分以上を潜水艦の中で過ごす軍人、ファミリー会社経営のCEO、製造業のマーケティングディレクター、ソフトウェアエンジニアに囲まれ、なかなか刺激的な時間。日本人よりも老けて見えるアメリカ人ではあるが、いかにも自分よりも若い感じに見えたという事は全員20代後半か30代前半か?

軽く笑いと取ろうと思い「自分の娘も9月から大学なので、自分はMBA学生として娘と競争するんだ」と話したら、「え、大学生の娘がいるの??」「今の会社ではどんなポジションなの?」「どのくらいworking experienceがあるの?」とマジ反応され、軽く汗。今後もそういう興味の目で見られる事は間違いない、と覚悟.....

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MBA@UNC受講者の住んでいる場所と平均年齢が紹介されていたが、平均業務経験10年強、平均34歳って事は自分は上から数えたほうが早いオジさんである事は確か、それも日本人。

 

若いもんには負けないよ!

勝ち負けの問題ではないが....

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予習

MBA開始まで2週間

 

Onlineシステムにこのsemesterで受講する"Analytical Tools for Decision Making"教材がアップロードされた。

いくつかの章立てになっており、教授の紹介、カリキュラムの説明ビデオから始まり、Live Session前までにやらなければいけない予習内容がギッシリ。

基本的にビデオでの内容説明に始まり、途中に実習項目(今回はExcelのData Analysisツールやピボットテーブルを使った確率統計系の演習問題)が挟み込まれていて、答え合わせもビデオで説明。非常に使いやすいツールで無理なく前に進んでいく感じだが、内容の幅と深さはやはりMBAだと思わせる内容。

大学時代に殆ど統計学に触れなかったため、友人に相談して簡単な統計学の本を1冊読んでおいたのだが、MBAのこのコースでは10回講義のうちの初回、それも予習範囲の半分くらいのカバレッジしかなかったことが判明。本1冊がそれだけの範囲しかカバーしていなかったことにショックを受ける....

いきなり実在の自動車パーツ会社の営業マンの営業成績(金額、勝率、商売成立までの日数など)がExcelに50000行近くのデータとして提供され、それを一気に分析していった上で、分析結果をベースに様々な評価を下していくという内容。いやいや、なかなかHands Onな内容ながら楽しいぞ。スピードは半端ないが...

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その他読み物を読む時間を含めると、予習だけで7時間程度費やした計算。これに2週間後の1.5時間の授業と宿題対応が必要なので、初回講義は全部で12時間程度の勉強時間になるだろう。慣れるまで暫く時間が必要と観念。やはり最初1科目だけにしておいたのは正解だったかもしれない。

次のSemesterからは最低2科目消化していかないと目標の27ヶ月での卒業ができなくなる。ということは毎週24時間程度の勉強時間確保は必須だという事。

リモートワークの今ならまだしも、徐々に物理的な移動や出張を伴う仕事スタイルに戻ってから24時間の勉強時間確保はやはりチャレンジだと思う。

平日は1日最低でも3時間、週末は残りの9時間を吸収した上で家族との時間を確保するには土曜はほぼ勉強に費やすことになるだろう。日曜だけはフリーにしたい.....

 

しっかりしろ! まだ始まってない!!

 

まだLive授業が始まっていないにもかかわらず、なかなか憂鬱な感じ。

でも50歳過ぎたオジさんが決めた道、1歩ずつ前に進んでいくしかない

仕事で得た知識・経験をアカデミックな世界で学び直す。そんな贅沢は今しか味わえない。決して少額ではない投資だって伴っている。

大学に進学する娘に、勉強する親の背中を見せるんじゃなかったのか!!

 

やるしかないか.....

George Floyd

アメリカの歴史は人種問題の歴史そのものだ

 

建国から250年経っていないこの国は、植民地時代から大きな発展を遂げ、1787年の合衆国憲法制定、1789年の初代大統領ジョージワシントン就任により独立することになるが、その後の西への領土拡大、南北戦争など人種問題と密接に関係した歴史を経てきた。

その歴史の中で様々な人種と交わり、アメリカ合衆国という巨大な国家に飲み込んでいったが、人種差別は決してなくなることがないまま今日を迎えている。アメリカンドリームの名の下に勝者と敗者、貧富の差、それらが常に人種問題、人種差別と合わせて議論されてきた。

教育においても未だ白人至上主義は変わっていないように思えるが、それでも有色人種の権利は相当向上してきたとも感じることができる。例えばUCのキャンパスに行くとアジア人とインド人が多いことに嫌でも気がつくし、相対的にUCの教育レベルも上がってきたとも言える。教育機関の発展に様々な人種の力は欠かせないものであることがわかる。

 

昨今のGeorge Floyd事件は人種差別を背景にした悲しい出来事であった。それはその後の全米、全世界レベルでの抗議活動の広がりでも分かる通り、アメリカ国民だけでなく全世界の人間が心に抱えてきた違和感や傷に触れたのだと思う。ただ、その抗議活動に端を発した暴動や略奪の類は決して許容できない。COVID-19の影響で物理的・精神的に抑圧された生活を送ってきたことがその理由として正当化されるべきではない。1日も早く人々が心の落ち着きを取り戻し、本来の問題は何であるのかを思い出してくれることを切に願う。

 

ツラツラと書いてきたが、私が月末から通うUNC Chapel Hillもアメリカを代表する教育機関の一つとして様々な声明を出している。その一部を紹介したい。

As members of UNC’s Commission on History, Race, and a Way Forward, we condemn the death of George Floyd in police custody and the deeper structures of white supremacy and racial injustice that set the conditions for such acts of violence. We recognize that those same structures perpetuate inequities on our campus and in the broader community in which UNC is situated. The commission’s charge – to reckon with the past in order to move forward – compels us towards actions that expose and dismantle the legacies of violence and advance restorative justice.

This is our history, but it need not be our future. In times of crisis, there is also opportunity – opportunity to create a new nation that is defined by the radical love that respects the dignity of all humanity and binds us together in the struggle for justice.

UNCの中でも未だに人種差別があることを認め、そこに対しアクションを取っていくことを宣言している。ピンチは常にチャンスでもある。いろいろな問題を抱えた国ではあるが、こういう行動の速さはアメリカから学ぶべきところだと思う。

 

アメリカのMBAに通うことで、MBAプログラムの中身だけでなく、アメリカという国の凄さと脆さを感じたいと思っている。オンラインという環境でも、どこかでそういう部分に触れる事はできると信じている。きっと自分がアジア人、日本人であることを嫌でも感じさせられるような場面があると思う。そういう時に自分がどういう気持ちになるか、どう仲間たちの中に溶け込んでいくのか。

 

そういう視点でも楽しみなMBAである。

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Student Handbook

最初のクラスまで何しよう?

 

最初のクラスが始まるまであと3週間。それまでにこのMBAに関する基礎知識だけは学んでおこうと思う。

既にOnline MBA履修登録説明、Online環境の説明などで3回ほどwebinarが開催され、授業開始前の基礎知識コース(5時間分)も受講完了した。

改めてMBA、それもオンライン環境で学ぶのは大変な事だと思い知った。きちんと準備しておかなきゃ大変なことになる、と....

そこで、学生としてのバイブルである"Student Handbook"を読んでみることに。

 

まずはUNC Kenan-Flagler Business SchoolのCore Value。学校毎にそれぞれ特徴の出るところだと思うが、UNCがLeadership育成に重きを置いている事、Integrity/Community/Teamworkといった人との繋がりを重視している事が分かってくる。

EXCELLENCE
We, the members of the UNC Kenan-Flagler community, strive for the very highest standards in everything that we do. We challenge each other to produce important new knowledge at the leading edge of our disciplines, to create an intellectually rigorous learning environment, and to show uncompromising dedication to those we serve.
LEADERSHIP
In the 18th Century, the people of North Carolina founded The University of North Carolina -the first state university in the nation. In the 20th Century, UNC created one of the nation's first schools of business. In the 21st Century, we will build on our heritage by providing innovative leadership in education and research, and by inspiring and developing the leaders of the future.
INTEGRITY
We cultivate an environment of honesty, sincerity, and trust in which we hold ourselves to the highest ethical standards. We believe integrity is the foundation of all moral character, and is an essential trait for truly successful professional and personal lives.
COMMUNITY
From its earliest days, UNC-Chapel Hill has honored and cherished its special responsibility to serve the people of North Carolina. We at UNC Kenan-Flagler extend this notion of responsibility to include service to the nation and the world through research, teaching, and community leadership.
TEAMWORK
We create at UNC Kenan-Flagler a unique atmosphere of collaboration, mutual support, and genuine interest in each other's success. Our diverse mix of cultures, races, and experiences provides a variety of perspectives and talents that, when united through teamwork, strengthen our ability to achieve our goals.

そう言えば、入学のためのEssayのテーマの一つが「Core Valueの内最も共鳴するValueはどれで、あなたが経験したチャレンジの中でどうそのValueを大切にしてきたかを述べよ」というものであった。私はあえて「Integrity」を選び、「5つのValueは全て重要であるが、その根底にはIntegrity、即ち、"誠実さ", "正直", "倫理的"であることが必要で、困難な状況においてもそこだけは譲ってはならない。どんなビジネスの局面においてもIntegrityを守ることができれば、相手の信頼を損なう事なくチャレンジを乗り越えることができる」という感じの趣旨で書いたのを思い出した。

これは約30年のビジネスマン生活で学んだ中でも最も大事にしている「学び」「教訓」であり、MBA@UNCへの共感にも繋がったのは事実である。

 

次がHonor Code。UNCの学生として守らなければならないルールが記されており、21項目が定義されている。

ここに全てを挙げる事はしないが、大半は不正に関するもので、他人の論文をコピーしないこと、指定された方法以外でオンラインテストを受けないこと、テストの中身を今後その授業を受ける学生にバラさない、などである。Onlineの環境ゆえにやりようによっては不正はいくらでも可能であるが、それでは学習する意味はない。中にはMBAという名前だけ欲しい人もいるかもしれないが....

それ以上に強調されているのが「全ての学生が人種、宗教、性嗜好、年齢、障害などで差別されてはならない」ということ。時同じくして、白人警官による黒人殺害に端を発するデモが全米中、世界中で起こっているが、アメリカを代表する教育機関としてはそれらの差別を一切許さないという姿勢を感じる項目である。

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その他、具体的なルールや評価基準などが46ページに亘って記載されており、これだけでも非常に読み応えのある書類であった。

ちなみにMBA@UNCではGPA(数値ベースの評価)ではなく、以下のグレードで評価されるらしい。

H = High Pass (Clear Excellence)

P = Pass (Entirely Satisfactory Graduate Work)

L = Low Pass (Inadequate Graduate Work)

F = Fail

IN = Incomplete

もちろん高いグレードを取ること自体が目的ではないが、どうせやるからには高いに越した事はない

あと3週間、できる限りの準備をした上で初日を迎えたいものだ....

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カリキュラム

最初のSemesterの履修登録

 

UNC@MBAは平均24ヶ月(8 Semester)でスケジュールが組まれているが、最短18ヶ月〜最長36ヶ月まで調整可能だ。

24ヶ月ベースだと2科目/Semesterの計算になるが、最初からそのペースでやっていけるか正直自信がない....

各科目毎の時間配分はこんな感じで、計10〜12時間/週/科目の学習時間が必要らしい。

  • 週1回のSynchronous Session(90分;平日夜にZoomで)
  • Asynchronous Session受講(適宜ビデオベース)
  • Group Work(適宜; Zoomを使って)
  • 宿題(適宜;論文やケーススタディの読み込み)

 

さて、最初のSemesterから標準ペースの2科目にするか、まずは1科目で様子を見るか?

 

結局1科目だけの履修にした。いきなりコケるわけにもいかないし、オンライン学習という初めての世界で自分のペースを掴むまでは。

次のSemesterからは2科目ペースにのせるつもり。

多分、同じようなことを考える人向けのモデルカリキュラムも用意されていたので、これが今後のスケジュールとなる。

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最初の授業はAnalytical Tools for Decision Making、統計学関係。

実は学生時代に統計学を勉強したことがない。今から必死にキャッチアップするしか.....

 

このペースで進んでいければ、卒業は2022年9月の予定。

仕事、家庭、MBAを両立できるか? 戦いは今月末から始まる....

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オンライン教育

なぜOnline MBAを選んだのか?

 

答えから言えば「働きながら学ぶのにOnlineが最適だと判断したから」である。

 

できることなら学校に行ってF2Fで学びたかったし、最初はそういうつもりであった。実は2年前に週末開講のExecutive MBA (EMBA)をいくつか選び出し、実際にAdmission Offerをもらうところまで行ったことがある。

しかし、日本にいる親が病気で倒れたこと、自分の仕事が日米間、米国内での頻繁な移動を伴うこと、キャリアアップのために会社を変えたことで、例え隔週の週末だけであったとしてもスケジュールをコントロールすることが極めて厳しくなってしまい、最終的に断念せざるを得なくなったという経験をした。

 

今回はそういう意味で再挑戦である。会社派遣などで仕事から離れることが許されていればまだしも、あくまで自己実現のためのMBA挑戦であり、そのために仕事を犠牲にするわけにもいかない。両立しなければ意味がないのだ。

もちろん、今でも学校に行って授業に出て、休み時間や食事の時に学友たちと話すことで親交を深めたり刺激を受けたりしたい。1960年代生まれのオジさんにとって、人間関係構築はF2F以外に想像できない部分がある。SNSをやらないわけではないが、友達作りの起点はやはりリアルな関係であり、SNSは補助でしかない。

 

ところが、21世紀に入ってからの世界ではこれまでの常識では考えられなかったようなことが頻繁に起こっている。

こうなってくると、世の中はできるだけ人との接触を避けるように行動するだろうし、教育機関もそういう対応をせざるを得ないはず。現に日本の大学でもオンライン化対応の度合いで相当差が出ているように思えるし、今後はオンライン化が学校を選ぶ一つの指標になりうるのではないか。

 

教育を受ける対象によってオンライン化対応も異なってくるのではないか。

 

初期教育(高校まで)

人格形成や社会への適用などを身につけるための初期の教育(例えば高校くらいまで)はやはりF2Fが主流となるだろうし、そうでないといけないと思う。人間とのリアルな接点から学ぶことは大きく、避けて通るべきではない、と考える。

一方で、いじめ、差別、ネグレクトなど、リアルな接点で嫌な思いをしてドロップアウトした学生たちの受け皿として、オンライン教育が機能するはずである。私自身は「オンラインありき」には反対だが、「オンライン」というオプションを用意していくことには大きな意義があると思っている。

 

専門教育(大学、大学院)

大学教育以降はオンライン中心でもいいのではないか?

法律上でも18歳を過ぎれば大人の仲間入りをするわけだし(参政権など)、自分で教育を受ける手段を選択しても良いと思う。部・サークル活動など必要に応じてオンサイトでの活動をしてもいいし、授業はオンラインでもある程度のことは可能だと思う。

カリキュラムをオンライン中心に移行、自宅やリモート場所からのアクセスを可能にし、どうしてもリアル接点が必要な部分だけをキャンパスでの活動とすれば良い。学生たちのデジタルリタラシーは我々オジさんには想像できないくらい高いだろうし、寧ろNew Normalとして定着しやすいのではないか。

 

リカレント教育(社会人)

オンライン教育が最も可能性があるのが「社会人に対してのリカレント教育」だ。

自分もそうであるが、仕事を続けながら勉強するのは大変なことである。金銭的な部分もさることながら、時間の確保という部分が一番の問題だろう。

オンライン教育の場では、そもそも通学のための時間が要らない。Synchronous(リアルタイム)セッションでは決まった時間で拘束されるものの、それを補完するAsyncronousセッション(ビデオ、テキストベース)では空いている時間を使えば良いので、例えば仕事の移動中や昼食の時間を充当することもできる。ワークライフバランスの実現のための有効な手段だ。

オンライン化が進み、リカレント教育を受ける社会人が増えれば、一人当たりコストも下がり相対的に授業料も下がってくるだろう。授業の作り込みやプレゼンのやり方など、慣れてくれば質も上がってくるに違いない。

それでも、リアル接点の場がなくなることはない。例えば生物学、薬学、医学研究におけるリサーチなど、物理的な環境を必要とする学問、それ以外であっても時には人と人が触れ合う場がゼロというのはあまりに寂しすぎる。実際に、私が通うことになっているMBA@UNCでは、最低2回のオンサイト(Summitと呼ばれる3日間のセッションで、Chapel Hillもしくは海外主要都市で開催)参加が必須となっている。そういう場を通したリアルな人間同士の関わり合い、ネットワーキングは必要だと考える。

 

企業や教育機関も結果的にPandemicな状況が教育のオンライン化でのビジネスチャンスを体感することができたのではないか。

 

私自身はCOVID-19のようなPandemicが起こることまで想定はしていなかったが、結果的にOnline MBAを選択したことは正しかったと思う。仕事との両立を実現するという観点だけでなく、オンライン教育の可能性を実体験として感じることができるのだから。

このブログでもそういう実体験を誰かと共有できれば、という思いで続けていきたい。

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