50代からのMBA in USA

50代になって急にMBA取ろうと思って動き出したオジサンのブログ。卒業まで続けます?(続けたいな〜)

折り返し

ご無沙汰しています。待っている人がいたかどうかは別として...

 

コロナ禍の中始めたMBAではあったが、6月くらいからはアメリカ国内出張も再開、この10月は毎週1〜2箇所に出張するという生活が続いている。出張すればお客様との会食などもあるため、ちょうどその時間に設定されているMBA授業との兼ね合いがどうしても難しい

 

そんな中でも何とか時間を作りMBAの授業を続けてきた。開始から既に5期が終わり、今6期目になっているが、ここまでの戦歴は以下の感じ。隠すまでもないので公開します。

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MBA@UNCは3ヶ月毎に履修登録をするが、大学的には秋学期、春学期という2期制なので成績もFallとSpring毎に集計される。卒業単位62のうち41まで取り終えたのでちょうど2/3が終わったのが今の状況。H Grade (Aに相当)も3割くらいあるのでまあまあと言ったところか?

 

July 21 Semester(Finance, Business Strategy)までで必須科目が終了、それ以降は全て選択科目となる。私は将来の起業もしくはベンチャー投資家という夢に向け、Enterpreneurship系授業を中心に取りながら、投資判断に必要なFinance系やData Analytics系を中心にやっていこうと考えている。

MBAなので当然議論やプレゼン系の授業が多くなるのだが、やはりこの歳になると積極的に発言したり、俺が俺が的な参加の仕方には躊躇してしまうことが多く、理論的なことを学ぶ方が性に合っているではないかと。30前後のこれからキャリアを築いていきたいと思っている若い世代に譲りたいと。

 

今週はThanksgivingで後半休みなので、今まで溜まった中身を一気にブログに上げます。と、プレッシャーをかけないと怠けてしまうので....

6月にChapel Hillを訪問した時の写真から。

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1年が過ぎました….

ブログ、久しぶりです!!

 

もともと50過ぎのおじさんのMBA挑戦の過程を留めておこうと始めたブログだったのだが、仕事に加えMBA授業の準備、受講、レポート&宿題&試験などの対応で思ったよりも(覚悟はしていたものの)忙しい日々を送ることとなり、なかなかブログまで手が届かなかった....

「このままじゃイカン!」と思い、受講開始から1年が経過した(もう??)このタイミングでブログ再開することにしました。

結構ネタも溜まってきたし(笑)、せめて週1くらいのペースで書き込んでいければ....

 

そう、早くも1年が経過、既にこの春学期のカリキュラムを終え最終試験の点数待ちの状況。

4つの学期を経験してきましたが、最初の学期だけ念のため1科目(各10週間; 4 credits)しか受講しなかったので、これまでに7科目を受講したことになります。

 

July 2020

  • Analytical Tools for Decision Making: 統計学とデータ分析

October 2020

  • Financial Accounting:会計学の基本(BS, PL, CF)と財務諸表分析
  • Marketing:Product Life Cycle全般の流れと各自の起業ビジネスプラン策定

January 2021

  • Leading and Managing:リーダシップ関係
  • Strategic Economics:主にミクロ(一部マクロ)経済学の基本

April 2021

  • Operations:制約理論、サプライチェーンマネジメントなどにおける数学的アプローチ
  • Business Communications:Business Writing及びPresentationの実践

 

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まずはCore科目(必須)を終えなければならないのですが、次の学期で2科目(Finance 4 creditsとBusiness Strategy 2 Credit)取れば終了、そこからはやっと自由にElective科目(選択)がスタートします。

ここまでの戦績はまあまあ。上からH (High Pass;上位20%未満), P (Pass;標準), L (Low Pass), F (Fail)というグレードがつくのですが、最初と2つ目の学期でH評価を取った以降はP評価でして.... 忙しくてなかなか勉強に手が回らなかった...というのは言い訳にしかならないのは分かっていますが...

April開講の2クラスはまだ成績待ち、Operationsは結構自信があったのですがFinal Examでケアレスミスを連発、だいぶ難しい状況に追い込まれた感が....

 

そんなこんなで、この1年で色々学ぶことができました。また次回から経験したことなどを思い出しながら書いていきたいです。

最後は、この6月に行われたMBAの卒業式の写真で....(News Letterからのパクリ)

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英語で議論するということ

速かったような遅かったような....

MBA@UNCプログラムの1/3を終えた今の素直な感想。

 

自分のブログを読み返してみると、去年の今頃はちょうどいくつかのMBAの願書申請準備をしていた頃。その1年後の今、USのTop 30 Schoolの一つのMBAにどっぷり浸かって、20−30代の人たちに交じってあーだこーだ議論したりロールプレイしたりレポート作ったり、そんな自分は全く想像できていなかった。

そんな自分が今思うことを忘れないように、何回かに分けてブログに記したい。

 

まずは英語で議論するということ

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自分の英語は仕事するようになってから覚えたもので、Nativeや帰国子女のように生活の一部として学んだモノではない。もちろん駐在やローカルでの仕事歴15年の間に英語で仕事をして学んだものも大きいが、ネイティブの人間のように生活の一部として文化や人間関係の中で身についたコンテキストや細かいニュアンスをネイティブではない自分にはなかなか理解できないところがある。授業の前に教授が話すジョーク、グループ議論の中で他の生徒が使う独特な表現、そもそもアメリカでは常識的な行動や習慣etc...

 

直近のSemesterで落ち込んだ経験を共有したい。大したことないメールのやりとりながら結構落ち込んだ

Economicsという授業で最終週に「グループで読んだPaperに対してプレゼンする」という課題があって、選ばれた4人のチームで「ある条件を満たしているCEOは高い確率でOverconfidenceとなる」という仮説を検証した30ページくらいあるHBRのPaperを読んで、問題は何か、問題を示すデータ、授業で学んだ理論の適用、実社会への適用という4つに分けたテーマで手分けしてプレゼンを作っていった。

正直Economicsという学問自体が好きではなかったこと、直近の3ヶ月が仕事の関係で忙しかったこと等、あまり熱が入っていなかったこともあるが、他の3人のメンバもほぼほぼ同じ状態だったと想像する。それでも何とか各自がドラフトを作り、それを繋ぎ合わせた上で議論してストーリーとして成立させ、プレゼンの前に提出するに至ったのだが、そこで自分の英語力によってちょっとしたザワツキを起こしてしまった。

提出期限の前日にチームの一人が「みんな一度通しで読み返して修正点がないかそれぞれ確認しよう」と提案した後に別の一人が「仕事が忙しくて明日午後まで見ている暇がない。確認したいのはヤマヤマなんだけど...」と言ってきたので、そこで私が「わかった。他の3人はもう見直しが終わったから、明日午後に最終確認してもらってチームとして提出しておいてもらえない?」とメールしたらそいつが激怒りで返答。

 

”お前は鬼か!できねーって言ってるのに、最後の最後の確認を任せるだけじゃなくて提出までしなきゃいけないのか? お前は頭がおかしいんじゃないか?”

 

おいおい、ちょっと待てよ。まだ30中頃のガキに頭おかしいと呼ばれる筋合いはねーんじゃないか?

と一瞬感情的になったが、よくメールを読み返してみると彼が「確認したいのはヤマヤマなんだけど...」という文章を仮定法で書いていた点に気がついた。あ、あの文章は「悪いけど任せる」という意味だったと気がついた時には遅かった.....

こちらは勝手に「あー、提出期限ギリギリになっちゃうけど、最後は自分でも目が通したいんだなー」と好意的に読んでいた。実際、ああいう表現の仕方でもそういう意図で書いている時もあるのだとは思うが、この彼はそうではなかった。

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このケースはメールでのやり取りでの失敗だが、リアルでの議論でもこんなことは沢山あった。きっとアメリカや海外の大学を経験している学生であれば、ガツガツ自分を表現したくてしょうがない連中の中でもうまく議論に入っていくんだろうとは思う。

ところが自分は、その議論が自分の意見とは大きく違っていなければ、特に自分から発言しなくとも望むべき結論に至るのであれば、あえて自ら発言しなくてもいいか...と思ってしまうところがある。

特に今の仕事においても、まずは自分の部下に発言させて自分たちで結論を導けるように黙ってみていることが多い。軌道修正が必要な時だけ発言するようにすることで、彼らの自主的な議論とやる気を引き出すと同時に育成しているという気持ちがあるのだが、自分が学生の一人として参加しているMBAにおいてもつい自分より若い連中を前にするとそういう仕事でのスタイルが出てしまうところがある。実際に今自分の下で働いてくれているアメリカ人はChicago Booth Schoolに通っている最中で、普段からそういうMBAレベルの人間が自分の下にいて自分の指示に従って動いてくれているという現状と、自分がイチ学生として参加するという環境とのギャップが大きすぎて.....

 

くだらないことをツラツラ書いてきたが、プラスの側面は「そういうことに気がつけた」こと。

50過ぎになった自分にとって自分のスタイルを使い分けるのはなかなか難しい。でも「目的を実現するためには自分も変わらなきゃいけない」ということも改めて思い知るという経験ができているのは恵まれている。

 

前向きにいこう!!

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あっという間に冬学期終了

ブロクも2ヶ月近くご無沙汰している間に冬学期が終わってしまった....

 

もしかしたら待ってくれている方が1人でもいたとしたらごめんなさい....

世の中はまだまだコロナ禍真っ只中、アメリカ経済もまだまだ...と思っていたらとんでもない!! 「なんでこんなに??」というくらいお客様からの引き合いの数々、さすがにMBAやりながらこれだけの仕事量をこなすのは至難の業でした。もちろん、それを覚悟で始めたOnline MBAではあるのですが、いざそういう局面に遭遇すると弱音の一つも吐きたくなる....😩

それでも何とか乗り越えることができました。Economicsというもう30年振りの理系トピックと、Leading and Managingという普段の仕事に直結しているリーダーシップ 、文系もの。本当であればもう少しじっくり取り組めば面白かったのに...🥺🥺

 

Economics:

7週間にわたるミクロ経済学(価格理論、ゲーム理論など)と3週間で急足のマクロ経済学GDP、Monetary Policy、Tradeなど)の計10週間。毎週Asynchronous(ビデオ講義)での予習と宿題、Synchronous Session(ライブ講義)での討議に加え、Mid-Term ExamとFinal Examという各3.5時間の試験と、Group Workとして30ページ程度のHBRのペーパーを読んで4人一組でプレゼンを作って15分間の発表を行うという課題。もちろん試験勉強も必要だし、ついていくだけで必死でしたよ。50過ぎの親父にとって理論モノや計算・グラフを伴う問題を解いていくのは頭の体操といったレベルを明らかに超えていました。

それでもMBA@UNCでも有名な教授の熱のこもったビデオ講義やReview Session(試験前の対策授業)などは楽しむことができました。またこのCOVID-19による経済や社会に対する影響や見通し、米中貿易摩擦の問題など、常に教材もアップデートされていて、これだけのことを10週間に凝縮して学ぶことができたのはとても為になる経験でした。

以下は試験前の対策授業での教授の手書きメモ、Nash Equilibriumの説明ですね。あとはプレゼン向けに自分で作ったページ部分、ある条件に当てはまるCEOのOver Confidenceの問題について。

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Leading and Managing:

一応これでもIT企業でプロマネ一筋でやってきた人間なのでそれなりに自信もあったし、最初の頃の授業では過去の経験談を共有したりして「経験値の高さでマウント取れた」と思っていたのですが、やはりアメリカでの議論形式の授業ではそれだけで分が悪かったですね....

こちらもAsyncと毎週与えられる課題のペーパー(6−10枚程度)、数回にわたるGroup Workでの合同レポート作成、ほぼ毎週のロールプレイなどなど、こちらも毎週たっぷり12時間程度は使わないと対応できない分量でした。これに加え、様々なツールを用いた自分のリーダーシップスタイルの分析結果を使ってリーダーシップやマネジメントスキルを開発するためのPDP (Professional Development Plan;8ページ)も作成したのですが、まさかこの歳になってスキルプランを作る羽目になるとは.... 実務面では今更感が大きいのですが、改めて自分を見直すいい機会にはなったかと。
Group Workでの最終レポートは10週間に亘って学んできたリーダーシップの理論やツールを用いて文献や作品(小説とか映画とか)を分析するというもので、12 STRONGという9.11テロの後に初めてタリバン(+アルカイダ)に反撃したチームを題材にした映画を見て、それについて様々な視点で分析するということを体験。同じチームになった仲間はみんな30代なんだけど優秀優秀。何とかGlobal Cultureという観点で独自の視点を付加することができて何とか面目躍如。

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ということで、

まだGradeは出ていませんが、4月1週まで暫しのお休みです.....

 

この隙にブログももう少し頻度を上げて書いてみたいと。この冬学期は色々な出会い、学び、試練もあったので、その辺りを書ければと....

 

ところで直接関係ありませんが、UNCはバスケが強いことで有名(Michael Jordanの出身校)で、Dukeとライバル状態が続いているのですが、今シーズンはDukeが超不振(UNCもあまり強くはなかった)だったこともあり、直接対決2回ともUNCが勝ちました!!ただのビジネススクール生ではありますが、自分の学校ということで応援できるのは気持ちがいいですね。

と、そこまではいいのですが、毎年UNC-Duke戦には学生が街に溢れ出すように、今年もコロナ禍にも関わらず人が溢れかえったことがテレビで放映されました。まあキチガイ大学生を止める術はないのでしょうが、もう少し理性的に動いてほしいと思うのは私だけでしょうか.....😩😩😡

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2021年初ブログ

2021年が明けて、もう3週間...

 

クリスマスから10日も休みがあったのに、あっという間に仕事が始まり、また嵐のような日々に。もちろん、MBAの新学期も待ってくれるわけもなく、1/4からLeading and ManagingとStrategic Economicsの授業が始まった。

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6月から始まったMBA@UNC、これまでにAnalytical Tools, Marketing, Financial Accountingの3つを終えたが、ここまでは昔むかし大学で勉強した内容や仕事から得た知識で何とかなったのだが、今回の2つは更に難易度が上がった印象。特にEconomicsはミクロ経済学マクロ経済学のエッセンスと日常業務への適用という観点を10週間で行うというスパルタ形式。学校側もそれがいかに無謀な詰め込み方かわかっているらしく、授業で指示されたことをこなしてさえいれば単位を落とす事はないらしい。ただ、その中身が結構凄まじい

 

Strategic Economics

授業前

  • テキスト(もちろん英語)を15-20ページ読む(きちんと読むと1時間以上)
  • Async Session(ビデオ授業)を聴講(平均2-2.5時間分)+理解に1-2時間近くかかるイメージ
  • Homeworkの提出(Asyncで習った内容やテキストの練習問題がベースに4−5問ではあるが、30分-1時間近くかかる印象)

授業中

  • 授業が始まる15分前から画面に「この問題解いてGoogle Formに提出すること」という指示が出ている
  • 90分の授業は「授業前練習問題解説」→「その週のトピックの簡単な解説」→「グループに分かれて練習問題」→「Homeworkの解説」という感じで進む

授業外

  • Mid-TermとFinalでテストあり(各3.5時間の制限時間)
  • 毎週補習ビデオ授業(1時間)があり、自信のない人は出るように勧められる(ビデオ録画で聴講可能)

 

これ、真剣にやろうと思うと毎週最低でも10時間近くやらなきゃいけない計算。「学生時代、もう少しきちんと勉強しておけばよかった...」なんて思っても後の祭り。次から次へと新たなトピックが出てきて、それを追っかけるのに必死な状況..... そして、そういう時に限って仕事上のトラブルが発生したり。

 

自分で望んで始めたMBAとはいえ、そんなに甘いもんじゃない。

 

既に4週目が終了、来週末にはMid-Term Exam(中間試験)が待っている。

頑張りますよ.....

来年に向けて

あっという間の1年だった。

 

一旦諦めていたMBAに挑戦しようと思ったのが1月、そこから準備始めて4月にPenn StateとUNCから合格をもらって、6月末から授業開始。そして夏学期、秋学期と2つのセメスターを終えて、もう年末。一方、コロナが吹き荒れる中、日本への単身赴任からの引き上げとアメリカ国内での引っ越しに加え、娘の大学進学もあったので、仕事もプライベートも全部乗せの状況で突っ走ってきた。

ほとんど立ち止まることなく動くことで答えを見つけるしかなかった1年だったが、きっとこれで良かったんだと思う。人間は、忙しい時は「もっと時間があれば」とか「立ち止まる時間が欲しい」と思うものだが、逆に中途半端に時間があったりすると、物事に集中できなかったり優先順位がつけられなかったりもする。流石に50過ぎのオヤジには厳しい部分もあったが、そこは家族の協力も得ながらやっていくことができたのが大きかった。

 

今年の成績を振り返ってみたい。

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本当は、全てH(High Pass)評価(=世の中で言うA評価)を取りたかったのだが、鬼門のMarketingで87.5/100と健闘したものの少し及ばずP(Pass)評価(=B評価)で終わってしまった..... それでもData AnalyticsやFinancial Accountingという数学的なところでHを取れたのは自信にもなったし、そこは自分を褒めてやってですかね?

 

年明け4日からはEconomicsとLeadershipの授業がスタートする。もちろんその前にいつものようにAsynchronous(ビデオ授業)、Textbookや文献読んだり、宿題もやっておく必要があるので、この年末年始の時間のある時に少しでも前に進めておく必要がある。またすぐにMBAな毎日が始まる。

来年もこのブログは継続的に書いていく。いつか本に纏めてみたいとも思っている。

まずは自分の努力の跡を振り返る目的でもあるが、老若男女問わず、MBAに挑戦したいと思っている人にちょっとでも勇気を与えられれば..... 「50過ぎの親父でもできるんだぞ!!」と。

 

でも今日だけはクリスマス気分で大好きな泡と焼酎で酔っ払う。明日からはMBA道を邁進すべし!!

 

皆さん、良いお年を.....

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MarketingはMini-MBA

"MarketingはMini-MBA"

 

Asynchronous Session(ビデオ講義)で教授も言っていたが、明らかに自分の中での「マーケティング」の定義が合っていなかったようだ。

普通「マーケティング」というと、販売戦略とか広告・宣伝戦略、実行の話かな?なんて漠然と思っていたんだけど、よく考えてみれば「売るべきものが何なのか?」「その価値はどこにあるのか?」「競争優位に立てる要素は?」などなど、事業を立ち上げるのとモノを売るのは同じことなんだ、と改めて考えることができた。

 

それにしても、この授業は密度が濃い。大きくは3つのブロックで構成されている。

  • 通常の授業(15%):教材・文献の読み込み、Asynchronous(ビデオ講義)、Synchronous(ライブ授業)での議論、という通常の中身。マーケティングにおける考え方、ツール、テクニックを学ぶことができる。
  • SABREによるシミュレーション(35%):ある会社で製品開発、販売チャネル戦略、広告戦略、販売実行などなどをシミュレーション、クラスを6つのグループに分けて毎週投資する先と金額を決定して、その結果の儲け額を競うもの。授業で習ったテクニックを使った分析などの宿題もあり。
  • Project(50%):既存もしくは新規の商品・サービスについて、授業で習ったツール、テクニックを使い分析・評価を行い、マーケティング計画を作る。

 

実は授業の密度はかなり濃い。毎週3-4時間分のビデオ講義と文献を読むだけで5-6時間はかかる。中身もHBRのPaperだったり、教授の書いた本だったり、基本的な内容ではあるものの、実例に即したものが多いので読み応えがある。その予習をベースに毎週90分のライブ授業に向かうわけだが、そこでも発言していかないとクラスの中で埋もれていってしまう。前の学期のData Analyticsも大変だったが、やはり議論中心のQualitativeな内容で英語で太刀打ちするのは大変

 

SABREは有名なMBAでも使われているだけあってよくできている。毎週仲間と1時間くらい議論しながらその週の投資配分を決めていくのだが、意見をすり合わせる様は、まるで会社の中での意思決定を行なっているのと似ている。真剣になるには理由もあって、実は6チームに分けて対抗して行くのだが、その結果(累積利益額)でスコアが35, 33, 31, 29, 27, 25と減っていく。いい成績を取ろうとするのであれば、35%配分のあるこのクラスで上位2位くらいになっておかないと辛い。実際にうちのチームは4位だったので、29/35しか加点できなかった.....

 

何よりも大変なのがProject。過去の事例をいくつかもらうのだが、どれも良くできていて、且つ40ページくらいの分量がある。基本的にはStart-Upなどの企画書をベンチャーキャピタルなどに持ち込んで投資判断してもらうレベルの内容が求められるので、分析対象も手法もロジックもなかなかのレベルのものが必要となる。実際、Week2くらいにはネタは決めておいたのだが、求められる内容はまだ習っていない状態。結局ある程度週が進んでいかないときちんとした中身のものは書けない仕組みになっている。ということは毎週地道に書き進めるか、最後の1-2週で一気に書き上げるしかない。自分の場合はちょうど仕事のピークと重なったこともあり後者を選択、目次だけは作り、参考文献、資料、情報は気がついた時にこまめに集めておくも、レポート自体を書いたのは2週間くらいしかなかった。いやー、なかなか痺れましたよ、このレポートは...

 

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見ての通り、レポートは45/50(90%)という成績でした。競合分析が甘い、という一言に尽きたようです。確かに思い当たる節はあって、時間がなくて手を抜いたところがそのまま減点になったと....

担当教授はすでにスタートアップを2つ立ち上げ、どちらも売り抜いてひと財産築いた後に、UNCから誘われて教える側に回ったらしい。聞いてみると、この手のIndustryでの経験を経てから助教授や講師の形でMBAの先生として誘われるケースは多いらしい。もちろん、ずっと大学で学部生や大学院生を教えてきている人もいるのだが、やはり現場経験のある人の授業は面白い。時々滅茶苦茶なことを言ったりもするが、話がリアルなところがいい。もちろんアカデミックな要素も必要だけど、リアル社会の話と関連していないと聞いていても面白くない

 

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ということで、苦労したこのマーケティングの授業、最終の成績は87.5/100ということになった。残念ながらH(上位25%を上限としてグレード)は取れなかったが、Mini-MBAと呼ばれる授業にて若い人たちに混じって健闘できた方ではないか?

 

やはり授業で議論していても、若い人の方が頭が柔らかいし弁が立つ人が多かったので、そういう中であーだこーだ議論していくのはとても経験になった。仕事の現場だと、やはり既にある程度の立場にあるとそんなにチャレンジしてこない若い人の方が多いのだが、MBAの場は全くハンデなしのガチバトル。お互いの素性もよくわからない同士、ロジックという武器で対抗してくる。もちろん、こっちは30年の社会経験で培ってきたスキルで対抗していくが、若い人の勢いや怖いもの知らずの物言いは簡単には論破できない

 

リカレント万歳!!