さあ、出願するにあたってやらなければならないことは?
大抵のMBAで要求されるのは以下の提出物。これを揃えるのが一苦労。
- WebでのApplicationとApplication Fee:基本情報を記述、願書提出料として$50-100くらいの支払いが必要
- Professional Resume:職務経歴書、意外と重要(だと思う)
- Transcript:オジさんでも大学時代の成績証明書が要求される、GPAで評価
- GMAT等のテストスコア:Waiver申請が認められれば免除
- TOEFL等の英語テストスコア:最低点が設定されている場合が多い
- Recommendations:職場の上司、友人、クライアント、先生など自分をよく知る人物からの推薦状で、大抵2-3名、最低でも1名は直属の上司からというケースが多い
- Essay:俗に言う小論文、学校によってお題の数、書かなければならない量も違う
- Interview:Admission Counselorとの面接(1時間くらい)が必要なケースがほとんど
この中で一番時間がかかるのが、GMATとTOEFLだと思われる。日本から会社派遣などで来る留学生はAGOSとかで2年計画で準備するらしいが、オジさんにはそんな体力も忍耐力もなし、現在の自分でなんとかなる選択肢の中で自分の願いを最大化したい。
ってことで、以下の手順で準備を進めと同時に出願校を絞って行った。
1. Resumeの整備
最初にやったのが職務経歴書の再整備。どこのMBAでも必ず必要な書類。転職のチャンスを考えて年に1回くらいは更新していたが、改めて見直し、加筆した。特に「MBA向けのレジメは多くても2枚以内」「リーダーシップロールを強調、管理した部下の数を明記」「できるだけ定量的な数字(売上、利益、前年比など)で成果を表現」する点に気を付けた。この作業の良いところは、
- 自分が本当に自信を持ってやってきたこと、自分の強みを棚卸 →アピールポイント、なぜそのMBAが自分を必要とするのか?
- 自分に足りない点を洗い出し →MBAで学びたい点をピックアップ
- 将来どんな道に進んでいくのか →実現したいキャリアを考える
を考える良いステップになるということ。
いくつかの学校に合格理由を聞くと「あなたのこれまでのキャリアにおける実績に惹かれた」という答えが多かった。ある学校では「正直あなたの学業成績はどうでもいい、テストができるだけの人間には全く興味がない」と言われた通り、年齢が上の人間に対しては特にResume上に表現されたビジネス実績が一番重要なんだと感じた。そう考えるとMBA出願は転職プロセスと同じってことなんだ。
2. 最終的に出願する学校の決定
前回も書いたが、さすがに5校への出願は大変(Recommendation Letterの手配とか、学校指定内容でのEssay書きなど)なので最終的に2〜3校に絞ることにした。
- 最後まで続けるために無理のないスケジュールが実現できる学校 ✖️Cornell(本校に行く必要はないが、アメリカ国内外の指定された都市のオフィスからのリモートセッション参加が必須)
- GMAT, TOEFLを要求されない学校 ✖️USC(最低点がそれほど高くないが、スコア提出必須。GMATは25年以上のキャリアがあれば免除で、現在はCOVID-19関連で全員免除されている)
- Synchronous Sessionが週末にスケジュール可能な学校 ✖️Syracuse(基本は平日夜のみ)
最終的にPenn StateとUNC - Chapel Hillの2校に絞った。
3. Essayの準備
どちらの学校も似ているテーマだったため、まずは共通の文章を用意してからそれらを各学校向けにカスタマイズすることに決定。きっとAGOSとかに行けば色々アドバイス、添削してくれるんだろうが、お決まりの体裁や内容になるのは嫌。それなりの英語力はあるので、あまり考えすぎずに思いついたままに英語で書いてみることに。基本的には20〜30代の応募者には経験できないこと、MBAに提供できない価値を前面に押し出し差別化するのが良いと思う。
- 短期・長期のゴール:まあ50代過ぎてからMBAに行くわけだから、それなりにゴールありきで考えてきた。短期的には「これまで現場で身につけてきた経験や知識をアカデミックな知識として整理し直したい」と思ったこと、長期的には「7〜8年後にRetireした時に起業する準備を進めたい、そのための知識を身につけたい、人的ネットワークを手に入れたい」という骨子
- 自分のリーダーシップスタイル:30年近い実務経験があるので、その中でも一番大変だったプロジェクトでのリカバリ経験とリーダーとして学んだこと(Lessons Learned)をストーリーにした。入りたい大学が求める資質などのキーワードなどを散りばめるという「仕掛け」も
- なぜ学校が自分を求めていると思うか:自分が何を与えることができるか、を分析した上で記述。Zig Ziglarというアメリカの作家が言った"If you are willing to do more than you are paid to do, eventually you will be paid to do more than you do."という言葉を引用して、惜しみなく自分の30年のマネジメント、リーダーシップ経験を共有することをコミットする文章を作り上げた
この3つのポイントが書けていれば、あとは各学校のお題に合わせたテーマや字数制限に対応すれば良いだけなので、それほど苦ではないはず。Resumeとともに自分を見つめ直すことになるのでそれを苦しいと思うか楽しいと思うか、気持ちの持ち様も重要だと思う。
4. Recommendation Letterの手配
誰に頼むか?が一番の悩みの種。私はアメリカ企業にも勤務した経験があるので、その時の上司にも依頼した。やはり日本人上司では英語力の限界やMBAというものに対する理解の限界もあり、望むような内容のレターは期待できないが、アメリカ人の管理職であればその辺は細かく言わなくても理解してもらえるので簡単。できる限り外国人、もしくは海外MBA経験のある日本人に依頼するのが肝要。
依頼する時には、強調してほしい内容は事前に伝えるようにする。やはり自分のResume, EssayとRecommendation Letterのトーンがズレると心証も悪くなることを危惧、できる限り整合しておこう、
5. Application Packageの完成・提出
必要なネタはできるだけ早くから集め始める。特にCOVID-19の状況では大学やテスト実施機関がクローズしていることもあり、その場合でもそういう状況にあることをAdmission Counselorに説明、いついつまでに提出するということを事前にコミットすることが重要。そういうコミュニケーション能力も評価されていると思う。
Applicationを提出した結果は次回のお楽しみ....